ドラクエ映画完走した感想
巷で噂のドラクエⅤ見てきました。
既に見ている大半の人が子供のころにプレイ済みだと思いますが僕はつい3か月前に初見ドラクエプレイしてました。
ドラクエって大半の人は園児~小学生くらいの頃に初めてプレイした人が多いと思うけど僕はここ2年くらいで初めて知識がない状態からプレイです。
まぁゲーム本編の感想に関してはまた別途ブログに書けたらいいなぁ…
ネタバレにならない範囲で映画の感想を言うと
全編通して戦闘シーンは満足だし、特にゲマのグラフィック、演技、狂気は200点くらいあるぞ
— にとてん☘ (@ten_tales) 2019年8月3日
ゲマ200点
— にとてん☘ (@ten_tales) 2019年8月3日
ラスト-500点
トータル-300点です対戦ありがとうございました
ゲマだけはマジで手放しで僕は褒められる
— にとてん☘ (@ten_tales) 2019年8月3日
ゲマのための1300円だった
ゲマはほんとよかったと思う。
ここら辺はPVからも感じ取れると思う。
以下、ネタバレを含む感想です
まず映画の内容の前に、ゲーム本編の話を少し。
原作ゲームの大まかの流れは以下になります。攻略サイト参照した
・幼年期
パパスを母マーサを探す旅
フローラとの出会い(PS2版基準)
ゲレゲレ(ベビーパンサー)との出会い 僕はチロルでした
ビアンカとレヌール城を冒険
パパスの死、奴隷へ。
・青年期(前半)
ヘンリーと大神殿から脱出
サンタローズの洞窟で天空の剣を入手
ラインハット奪還(ニセたいこう撃破)
カボチ村(洞窟)でゲレゲレと再会+パパスの剣入手
ルーラ取得
フローラと再会
ビアンカとの再会
結婚イベント(ビアンカ)
出産イベント(男の子、女の子)
配信してて一番盛り上がったところ(身内ネタ) pic.twitter.com/aQfuZCKuZX
— にとてん☘ (@ten_tales) 2019年8月3日
デモンズタワーでリュカ、ビアンカとも石化
・青年期(後半)
男の子、女の子と再会
ブオーン撃破
天空城、過去に戻ってゴールドオーブ入手
ボブルの塔でゲマ撃破
大神殿でイブール撃破
かなりざっくり書くとこんな感じになります。(ヘンリーのこと相当省いちゃってるけど)
太字になっているところが映画化されているところです。
上記のチャートを映画版に置き換えると以下のような感じに。
・幼年期(10分くらい)
ゲーム画面(つまりドット絵)でダイジェスト(リュカ誕生、フローラと出会い、ビアンカと冒険、ゲレゲレ)
パパスの死、奴隷へ
・青年期(前半)
ヘンリーと大神殿から脱出
家に戻りサンチョからパパスの剣を受け取る
天空の剣入手のためにサラボナの町へ(冒険はダイジェスト。ゲレゲレもここ)
ブオーンを倒すとフローラと結婚できるに変更
フローラと再会
フローラと結婚しそうになるがイベント発生によりビアンカと結婚
出産イベント(男の子)
・青年期(後半)
男の子と再会
過去に戻ってゴールドオーブ入手
マスタードラゴンに乗って大神殿へ
ゲマと魔物の大群と決戦
崩壊世界でミルドラースウィルスを撃破
エンディング
そもそも映画化にあたってDQ5のストーリーを2時間に収めるのは不可能なのでいろいろと省略・改変があることは承知の上なのでそこらへんはマイナス要素として考えるつもりはありません。
・設定の変更
原作では魔界に行くには3つのリングを特定の場所に置くことで魔界の門が開かれる。
映画では天空人が特定の呪文を唱えると魔界の門が開かれる。また門に対して天空の剣を投げ込むと門を封印できる。
という違いがあります。そのため天空人であるマーサが大神殿に終盤まで囚われてゲマは10年以上に渡り、マーサに魔界の門を開かせようとしている。
・幼年期がダイジェスト編
パパスが死ぬシーン以外はSFCゲーム画面として各シーンを数秒で流すだけ
もっともこれを3Dでやらずにゲーム画面でダイジェストになる、というところは伏線であり最後に回収されるのですが…
「リュカ」という名前もちゃんと意味があるのです。
・青年期(前半)は結婚イベントがメイン
いろいろと原作イベントをすっとばし、結婚イベントをメインとして進みます。
天空の剣はルドマンが所持。
結婚条件が指輪ではなく、ブオーン退治に変更。
尺の関係もあってこの辺のストーリー改変はまぁ問題ないかなって思います。
なお、ブオーンは死にたくなければ忠誠を誓えってことで仲間になります(一緒に旅はしない)
結婚に関しては最初、フローラと話が進みますが本心としては何でも言い合える人がいい、ということに気付きビアンカと結婚します。
(この辺もいろいろあるのですが省略)
・青年期(後半)は大神殿でのバトルがメイン
マスタードラゴンに乗って大神殿へ。
ゲマ・ジャミ・ゴンズの他、魔物の大群と決戦。
数が多すぎる敵に対し、途中からヘンリーとラインハットの兵士、そしてブオーンが助っ人として参戦
青年期(前半)では苦戦していたジャミ・ゴンズを一蹴しゲマと対決。
死闘の果てに息子アルスと共にゲマを撃破するも最後の力によりマーサを吸収、魔界の門を開き、ミルドラースを召喚しようとする。
アルスが天空の剣を魔界の門に投げ込みそれを阻止した!
というところで世界が停止します。
さて、ここまでは相当にストーリーの省略・改変があるものの多くの人はそれほど不評ではないと思います。
原作においても結婚イベントはいきなりですし、大幅改変により結婚とゲマとのイベントをメインシナリオに添える、というのは別に批判すべきところではないと思います。
ゲレゲレがリボンもなく仲間になったり、ブオーンが仲間になって共闘するのは違和感が強かったですが…SNSで言われるような酷評すべき点ではないでしょう。
他にも突っ込みどころ自体はあるものの、いずれも酷評というほどではないと思います。
BGMは原作通りの素晴らしい音楽だし、グラフィックは文句なしで綺麗な3DCGであり、戦闘シーンも違和感なくかっこよく、敵のグラフィックは素晴らしいの一言(リュカが使う呪文がバギマばっかりなのがちょっと気になった程度)
ヘタレリュカ、強気だけど押されると弱いビアンカ、しっかり者のフローラ。キャラクター像はしっかり落とし込めてると感じました。
特にゲマは素晴らしい。グラフィック、演技力、狂気具合。どれをとっても完璧だった。
この天空の剣を魔界の門に投げ込むところまでは多少不満はあるものの少なくとも及第点以上の映画でした。だったんだ。
世界が停止後、ミルドラース(姿形は全く別物)が登場。
「この世界は現実ではなく作られたゲームの世界だ。自分はミルドラースではなくウィルスだ」と。世界を壊しに来たと暴露。
主人公リュカは現実世界に住む人間であり、VR機器によってゲーム世界を体験しているのだ、と。
SNS上でぼろくそに言われている本作ですが全てここが原因です。
僕たちが見ていた映画はドラクエではなく、バーチャル映像だったと。全て作り物だと否定されてしまったのです。
人や世界が全て崩壊し真っ白い世界にリュカとミルドラース。
しかしここでスラリンが登場し「俺はアンチウィルスプログラムだ」と。
スラリンからロトの剣が出てきてミルドラースを倒し、エンディングを迎えます。
「エンディングを迎えると現実世界に戻るんだな」と思いながら…
幼年期がダイジェストだったのはゲーム開始時に「幼年期をスキップ設定にしたから」
名前がリュカなのは「読んでいた好きな小説がリュカだったから」
自己暗示としてフローラを結婚相手に設定(ビアンカに変更されたが)
似たようなシナリオとしてスターオーシャン3があります。
あちらはストーリーを進めていくうちに「ゲーム世界でラスボスはプログラマー」という展開です。
SO3も今までの全てを否定してゲーム世界で、外側からゲーム世界を壊す。主人公たちはそれを阻止するという内容でした。
これも相当に賛否両論を引き起こした作品でした。
ドラゴンクエスト「ユアストーリー」
僕たちが見ていたドラクエはドラクエ映画ではなく、「作中の主人公(Your)が体験していた(Story)ドラクエ映画のような何か」だったわけです。
クライマックスで一番盛り上がってゲマ倒した後、必死に魔界の門を閉じられたのか!?というところで世界が停止、白い顔をした知らない変なキャラクターが出てきて世界が真っ白になってここはドラクエの世界だ。お前は体験しているだけだと押し付けられるわけです。
は?
ってなるよ。なったわ。
素直にミルドラースが出てきて残る15~20分で総力戦によって倒すようなストーリー展開であればここまでボロクソ言われなかっただろうに。
ヘンリーとの絡みが少なすぎるし、パパスを死んだっきり、フローラはめっちゃ美人で可愛くて、結婚イベントは変更点があったり、女の子がそもそも出演してなかったり、ブオーンと共闘したりといろいろあったけど概ね満足していたところにこの仕打ち。
あとやっぱり女の子出してよ
補足と追記
一応作中でゲーム世界ですよっていう伏線自体は存在する
・ユアストーリーというタイトル
・タイトルの「R」が鏡文字になってる(Realの逆、Virtual)
・幼年期のゲーム画面によるダイジェスト
・魔物撃破時、死体として残るわけではなくポリゴンのように消える(ポリゴンと書いたが崩れ落ちて消えると言う感じ。最初違和感はあったけどまぁそういうもんなんだなって感じで納得した。画面切り替わるまで死体ずっと残ってても嫌だし)
・フローラ(老婆)の薬飲んだ時、夢というよりデジタル世界のような場所で「じこあんじ」という言葉が出てくる
・プサンの「今回はこうなってる」というセリフ
他にもあるかもしれない。
いくつか並べたけどVR世界というオチを知ってないとわからないかと。
フローラ薬による夢で何かおかしくね?ってなるのとプサンのセリフには強い違和感があったが。
ウィルス関してはすごい唐突で何も伏線なし。
ゲーム世界に関しては上記のように一応伏線自体は存在するがウィルスに関しては何もなかった。ウィルスに関しても何らかの伏線とかあればまたちょっと違ったかもしれない…
この作品を「1つの映画作品」として見るか「ドラクエ映画」として見るかで評価は変わるだろう。
前者なら最後のオチも含めて納得できただろう。
後者として見たなら批判されて当たり前の内容だった。
そしてドラクエ好きで観に行った人の大半は後者だったんじゃないだろうか。